「主食を少しだけ」が一番ストレスだった|血糖値対策で私が主食ゼロを選んだ理由

エッセイ

「血糖値が高いですね。炭水化物を減らしましょう」

この言葉を聞いた瞬間、正直に思いました。
それが一番むずかしい、と。

ごはんを半分にする、少なめにする、腹八分目にする——
理屈では理解できます。けれど、いざ実践しようとすると、想像以上にストレスが大きい。

少しだけ残す食事は、満足感が得られません。
残るのは「まだ足りない」「我慢している」という感覚ばかり。
その反動で間食が増えたり、甘いものに手が伸びたりして、結局は自己嫌悪に陥る。そんな経験もありました。

もし今あなたが、
「主食を減らすのがつらい」
「少しだけ食べるのがいちばん苦しい」
そう感じているとしたら、それは意志の弱さが原因ではありません。
ただ、やり方が合っていないだけなのです。

この記事では、血糖値が高いと言われた私が、
「主食を少し減らす」という方法をやめ、
思い切って“主食ゼロ”を選んだ理由と、実際に無理なく続けられている現実的な食事管理の方法をまとめています。

特別な食材も、意識の高い献立も出てきません。
共働きでも回せる、作り置き中心のやり方です。
同じ場所で立ち止まっている方にとって、ひとつの選択肢になれば幸いです。

1.血糖値が高いと言われたとき、一番つらかったこと

1-1.「炭水化物を少し減らす」という指示のストレス

医師や健康情報で、よく聞くのは
「主食を控えめに」「ごはんは半分に」といったアドバイスです。

けれど私にとっては、
“少しだけ食べる”ことこそが、いちばんの苦痛でした。

完全に食べない選択よりも、
「ここで止める」という判断を毎回自分に課すほうが、
はるかに精神的な負担が大きかったのです。

1-2.腹八分目ができないのは、意志の問題じゃない

腹八分目が守れないと、
「自分は意志が弱いのでは」と責めてしまいがちです。

しかし実際には、
・空腹感が残る
・満足感が得られない
・我慢している意識が続く

この状態が重なれば、間食に流れるのは自然な流れでしょう。

これは根性や気合の問題ではありません。
そもそもの“やり方”が合っていなかっただけ。
私はそう考えるようになりました。

2.「少しだけ主食」が続かない人は珍しくない

2-1.我慢が続くほど、間食は増える

主食を少し減らす
→ 食事を終えても満たされない
→ 無意識に何か口にしたくなる

この流れは、誰にでも起こりやすいものです。

その結果、
「きちんと食事制限をしているはずなのに、間食だけが増える」
という、どこか噛み合わない状態に陥ります。

2-2.食事管理が失敗する本当の原因

食事管理がうまくいかない理由は、意志の弱さではありません。

自分の生活や感覚に合わない方法を選んでしまっていること。
本当の原因は、そこにありました。

3.発想を変えて「主食を最初から食べない」選択をした

3-1.主食ゼロにしたほうが、気持ちが楽だった

そこで、発想を切り替えることにしました。

・主食を少しだけ食べる → やめる
・主食は最初から食卓に並べない

こうするだけで、
「どこで止めるか」という迷いも、
我慢している感覚も、すっと消えました。

3-2.「完全糖質ゼロ」にはならない仕組み

主食を抜く=糖質ゼロ、というわけではありません。

実際の食事では、
・野菜(キャベツ、玉ねぎなど)
・豆腐や大豆製品
・味噌や醤油といった調味料

こうしたものから、意識せずとも糖質は自然に摂れます。

これが、極端に偏らず、体調を崩さないための
いわば“安全弁”になっていました。

4.主食を食べなくても、糖質は自然に入ってくる

4-1.最低限の糖質は「勝手に入る」

主食を抜いたとしても、
野菜や調味料を普段どおり使っていれば、
糖質が完全にゼロになることは、ほとんどありません。

「最低限の糖質をどう確保するか」を
毎回考え込む必要もなく、
結果的に食事管理の負担はかなり軽くなりました。

4-2.体調を見ながら微調整する意識

それでも、
・だるさが続く
・頭がぼんやりする

そんな違和感が出たときは、
野菜の量を少し増やすなど、
ごく軽い調整で十分でした。

厳密な管理よりも、
体調を見ながら微調整する。
そのくらいの感覚が、長く続けるにはちょうどよかったのです。

5.問題は夕食だった|共働きでも回る作り置きルール

5-1.日替わり献立をやめた理由

理屈としては理解できていても、
平日の夕食づくりには、どうしても現実的な壁があります。

共働きの生活で、
毎日違う献立を考え、作り続ける余裕はありません。

そこで私は、
夕食を「日替わりにする」という前提そのものを手放しました。

5-2.週1回・3ブロック作り置きの考え方

作り置きは、たった3種類に絞ります。

1.肉系(鶏むね・豚こま・玉ねぎ・きのこ)
2.野菜系(キャベツ・もやし・きのこ・わかめ)
3.補助たんぱく(豆腐・ゆで卵・サバ缶)

この3ブロックを組み合わせるだけ。
平日は基本、温め直すだけで食事が成立します。

5-3.「考えない・作らない」を最優先する

おいしさよりも、
栄養バランスよりも、
何より優先したのは「続けられること」でした。

考えない。作りすぎない。
その割り切りが、結果的に一番の近道だったのです。

6.外食・惣菜の日に破綻しないための「逃げ道」

6-1.外食時の基本ルール

外食は、あらかじめ“決めごと”を作っておくと迷いません。

・定食屋 → ごはんは最初から手をつけない
・居酒屋 → 刺身、焼き物、冷奴を中心に選ぶ
・ラーメン → 麺は半分以上残す(あくまで例外対応)

完璧を目指さず、選択肢を絞る。それだけで気持ちはかなり楽になります。

6-2.スーパー・コンビニ惣菜での妥協ライン

惣菜を使う日は、「これならOK」という基準を持っておくと安心です。

・焼き魚
・サラダ
・サラダチキン
・ゆで卵
・冷奴

丼ものや麺類は、基本的に選ばない。
その線引きだけで、大きく崩れることはありませんでした。

6-3.崩れた日の正しいリカバリー

もし食事が乱れた日があっても、
・反省しない
・翌食で、いつもの形に戻す

これだけで十分です。

1日単位で帳尻を合わせようとしないこと。
リセットは、たった1食で足ります。

7.この方法は万人向けではない

7-1.主食ゼロが向いている人・向いていない人

このやり方が合うかどうかは、人によります。

・「少しだけ食べる」こと自体が強いストレスになる人 → 向いている
・主食を楽しむことが生活の満足感につながっている人 → 向いていない

合わない方法を、無理に続ける必要はありません。
大切なのは「続くかどうか」だけです。

7-2.医師に相談するときの伝え方

医師に説明するときは、難しく考えなくて大丈夫です。

「主食は取らず、野菜とたんぱく質を中心に、作り置きで回しています」

この程度を伝えれば、十分に状況は共有できます。

8.「意識が高い食事」より「続く食事」を選んだ結果

1.間食が減った
食後の物足りなさがなくなり、
無意識に何かをつまむ回数が、自然と減りました。

2.気持ちが荒れなくなった
「我慢している」という感覚が消えたことで、
食事に振り回されるストレスも静かに収まっていきました。

3.食事管理が生活の一部になった
特別なことをしている意識はありません。
歯を磨くのと同じように、
当たり前の習慣として組み込まれただけです。

このやり方は、
決して特別でも、おしゃれでもありません。

それでも、
続いている。
ただ、それだけで十分でした。

よくある質問(FAQ)

Q1.主食を完全に抜いて、本当に大丈夫なのでしょうか?

主食を抜く=糖質を完全にゼロにする、という意味ではありません。
野菜や大豆製品、味噌・醤油などの調味料から、糖質は自然に摂取されます。
とくに「主食を少し食べること自体が強いストレスになる人」にとっては、主食ゼロのほうが継続しやすい場合もあります。
不安がある場合は、体調の変化を見ながら医師に相談するのが安心です。


Q2.血糖値が高い人が主食ゼロにするのは危険ではありませんか?

極端な制限や、短期間で一気に切り替える方法には注意が必要です。
ただし、野菜やたんぱく質をしっかり摂り、完全な糖質ゼロを避けていれば、必ずしも危険とは言い切れません。
この記事で紹介しているのは、体調を見ながら調整することを前提にしたやり方です。


Q3.主食を少しだけ食べるほうが良いと言われますが、なぜつらいのでしょうか?

少量の主食は、
・満足感が得られにくい
・「ここで止める」という判断を毎回求められる

こうした理由から、強いストレスになる人がいます。
これは意志の弱さではなく、食事スタイルとの相性の問題です。


Q4.主食ゼロだと、エネルギー不足になりませんか?

エネルギーは、たんぱく質や脂質からも十分に確保できます。
加えて、野菜や大豆製品に含まれる糖質が、最低限のエネルギー源になります。
だるさや不調を感じた場合は、野菜量を増やすなどの微調整で対応するのが現実的です。


Q5.共働きで毎日料理できません。それでも続けられますか?

この記事で紹介している方法は、
週1回の作り置き+平日は温めるだけ、を前提にしています。
日替わり献立をやめることで、調理の負担を最小限に抑えています。


Q6.外食や惣菜の日はどうすればいいですか?

完璧を目指さず、
・定食ではごはんに手を付けない
・居酒屋では刺身や焼き物を選ぶ
・惣菜では丼や麺類を避ける

こうした「逃げ道ルール」を決めておくことで、大きく崩れにくくなります。


Q7.主食ゼロの食事は、誰にでも向いていますか?

向いているのは、
・「主食を少しだけ」が強いストレスになる人
・我慢すると間食が増えてしまう人

一方で、主食を楽しむことが生活の満足感につながっている人には向きません。
大切なのは、自分の生活や感覚に合った方法を選ぶことです。


Q8.医師にはどのように説明すればいいですか?

「主食を取らず、野菜とたんぱく質中心の食事を、作り置きで続けています」
この程度を、そのまま伝えれば問題ありません。
無理に専門用語を使う必要はありません。


Q9.いつまで主食ゼロを続けるべきですか?

期間を決めるよりも、
・血糖値の数値
・体調
・生活への負担

これらを見ながら調整するほうが現実的です。
「一生続ける」と考えず、選択肢のひとつとして捉えると、気持ちも楽になります。


Q10.この方法で痩せることは目的ですか?

この記事の目的は、
血糖値対策を無理なく続けることです。
体重の変化が起こることはありますが、あくまで結果であり、主目的ではありません。

まとめ

血糖値が高いと言われると、「主食を少し減らしましょう」と指導されることが少なくありません。
ただ、その「少しだけ」が強いストレスになり、結果として間食が増えたり、食事管理そのものが崩れてしまう人もいます。

この記事で紹介したのは、主食を無理に少量食べ続けるのではなく、思い切って食卓から外し、野菜とたんぱく質を中心に“量をしっかり確保する”という選択です。
主食を抜いたとしても、野菜や大豆製品、調味料から糖質は自然に入るため、完全な糖質ゼロになるわけではありません。

さらに、夕食は日替わりをやめ、作り置きで回す形にすることで、共働きでも無理なく続けられる設計にしました。
外食や惣菜の日も、あらかじめ「逃げ道ルール」を決めておけば、大きく崩れずに済みます。

食事管理に必要なのは、意志の強さではなく、生活に合った仕組みです。
もし「主食を少しだけ食べる」ことに苦しさを感じているなら、主食ゼロという選択肢も、一度検討してみてはいかがでしょうか。

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